"DNA解析サービス23andMeで自分のDNAを調べてみた"

http://mochimasa.hateblo.jp/entry/20110625/p1


Relative Finder

Relative Finderは23andMeのソーシャルネットワーク的な機能を利用したサービスで、これによって親戚だと推定されるユーザーを探すことができる。私の場合は、"ひいひいひいひいおじいさん"を共有すると推定される人 (5th cousin) が何人もヒットした。ここまで来ると事実上の他人だが、普通なら知りえないほど遠い親戚が見つかるというのは面白い*8。もちろん、プライバシーの保護のために"遠い親戚"の情報は相手の承認なしには表示されないのだが、リクエストして承認が得られれば、メッセージの交換が可能になる。

Relative Finderはハプロタイプと呼ばれる概念を手がかりにしている。先述のとおり、染色体上の遺伝子は代を重ねるごとに混ざっていってしまうのだが、これは色が違う二種類のインクを混ぜたときのように完全に混ざり合ってしまうのとは事情が異なっている。実際には、染色体に「乗換え」という現象が繰り返されることで父方の染色体と母方の染色体がモザイク状になって混ざっていくのだ。従って、代を重ねるごとにそのモザイク模様はどんどん細かくなるのだが、モザイクを構成する一つ一つの断片は祖父や曽祖父の染色体の一部分をそのまま受け継いでいることになる。誤解を恐れずに言えば、染色体上のこのような断片のことをハプロタイプと呼ぶ*9。

23andMeのコンピュータは、それぞれのユーザーの染色体を比較し共通のハプロタイプを見つけ出すことで、何代も前*10の祖先を共有する遠い親戚と思しきユーザー同士を引き合わせている。この計算にはそれなりの時間が必要らしく、他の解析結果が見られるようになっても、しばらくはRelative Finderだけが利用できなかった。